
従業員数の増加に伴い、増え続ける問い合わせ。リードタイム悪化の予兆を捉え、事前対策としてzooba AIヘルプデスクを導入したSansan株式会社。
既存のNotionナレッジとSlackワークフローをそのまま活用し、わずか2ヶ月で本格稼働を実現。トラブルシューティング系の問い合わせの40%をワンショット解決し、ヘルプデスク全体で15%の工数削減を達成した。導入の背景から効果、継続的な改善の仕組みまで、コーポレートシステム部 IT Service Managementグループの上羅氏に話を伺いました。
課題
・従業員数の増加に伴い、ヘルプデスクへの問い合わせが高いペースで増加
・リードタイムが悪化傾向にあり、このままでは対応品質の維持が困難
・人員を増やし続けることには限界があり、一人あたりの対応件数を増やせば品質低下のリスクに
対応策
・AIヘルプデスク「zooba AIヘルプデスク」を導入し、AIを「新しいチームメンバー」として位置づけ
・既存のNotionナレッジとSlackワークフローをそのまま活用し、運用フローを変えずに導入
・「前提」と「ポリシー」設定で、現場担当者が直感的にAIの回答をコントロール
効果
・全問い合わせの約15%をAIが一次回答で解決、トラブルシューティング系では40%をワンショット解決
・一次ヒアリング工数の削減により、ヘルプデスク全体で15%の工数削減を達成
・24時間365日対応が可能になり、時間外・土日の問い合わせにも即時対応
・リードタイムが減少傾向に転換し、従業員体験が向上
Q. まず、御社と所属されている部門のミッションについて教えてください。
上羅さん:Sansan株式会社は、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げて、働き方を変えるAXサービスを提供している会社です。主な事業として、ビジネスデータベース「Sansan」、経理DXサービス「Bill One」、取引管理サービス「Contract One」などを提供しています。
私が所属しているコーポレートシステム部は、全社の情報システムを統括している部門で、「EXをシンプルにする」というミッションを掲げています。全社で利用するSaaSの導入・運用管理、インフラ対応、そしてヘルプデスクを通じて、従業員の効率や生産性を上げることを目指しています。従業員に対して持っている接点、たとえばSaaS、ヘルプデスク、オフィスの体験といったところで、いかに従業員体験を良くしていくかというところに注力している部門です。
Q. 具体的にどのような課題があったのでしょうか。
上羅さん:ここ数年で従業員数がかなり増えていまして、特にコロナ禍以降のサービス需要の拡大とともに、従業員数も増加していきました。それに伴い、社内のIT系の問い合わせ件数も増加傾向にありました。
リードタイムを日々計測しているのですが、それが直近でやや悪化傾向にあったんです。ユーザーから声が上がる前に、このまま放置すれば将来的にサービス品質の低下は避けられないと判断しました。件数がどんどん増えていくと、一人あたりの件数を増やして品質が低下するか、人を増やし続けるかしかない。そこがボトルネックになるという懸念がありました。

Q. 製品選定はどのように進められたのですか。
上羅さん:機能要件を洗い出して複数の製品を比較しました。その中で、zooba AIヘルプデスクともう一つの製品を詳しく検証しました。
Q. 検証ではどのような点を評価されたのでしょうか。
上羅さん:実際に過去にあった問い合わせのデータを利用して、それぞれの製品がどのような回答を出してくれるのかを評価しました。①ワンショットで解決する回答、②内容は合っているけれども一度では解決しない回答、そして③間違っている回答という3つで分類した結果、zooba AIヘルプデスクの方が約20%ほど精度が高いという評価になりました。この差は大きかったです。回答精度が低いと、結局人手での修正が必要になって、かえって手間が増えてしまいますから。
Q. 回答品質以外で、zooba AIヘルプデスクを選んだ理由はありますか。
上羅さん:大きな理由として、NotionとSlackとの連携が容易だったことがあります。弊社では、ナレッジをNotionに蓄積していて、問い合わせの起票にはSlackのワークフローを使っています。Notionのナレッジをそのまま取り込めること、そしてSlackのワークフローから起動できること。この2点が揃っている製品は限られていました。比較した他社製品では、Slackのワークフローから起動できないものもありました。
弊社では、ワークフローから問い合わせを起票するという運用フローがあったので、その運用フローを変えることなく導入できたというのは、大きな部分でした。
Q. ユーザーの反応はいかがでしたか。
上羅さん:かなり好評でした。今まで通りの問い合わせフローの中で、AIから直接回答がすぐに来るという体験は、ユーザー体験として向上したと思っています。大きく運用が変わるわけではないので、導入にあたって特別な周知を行う必要もありませんでした。
Q. 導入プロセスについて教えてください。
上羅さん:検証データとしては1ヶ月分の問い合わせデータを利用して、検証期間は約1ヶ月、そこから導入決定までを含めて2ヶ月ぐらいでした。Notionのナレッジをそのまま入れて精度検証を進めながら、ナレッジが不足しているところは追加で作成するなどの対応をしました。
当初、ナレッジのフォーマットや構造を変更する必要があるのではと懸念していたんですけれども、zoobaさんから「構造よりも内容の方が重要」というアドバイスを受けて、構造に関しては大きく変化させることなく、そのまま取り込みを行いました。
Q. 導入は順調でしたか。
上羅さん:正直、そんなに難しくなかったです。かなりスムーズに進められました。初期設定も、Notionに関してはワークスペースやページを指定して連携をかけるだけなので簡単でした。検証の中で回答フォーマットが安定しなかったり、参考文献が表示されなかったりといった改善ポイントはありましたが、都度フィードバックさせていただきながら対応していただいたので、実際の運用にあたって大きく困る部分は特になかったです。
定期的な打ち合わせの中でフィードバックをさせていただくと、それをすぐに拾っていただいて、開発やアップデートに繋げていただいているというのが見えるので、安心しています。

Q. 導入後の効果について教えてください。
上羅さん:導入前の試算では、全体の15%ぐらいの工数削減ができそうだと考えていました。実際のところ、全問い合わせのうち十数パーセント程度に関しては、zooba AIが一次回答で完全に解決しています。トラブルシューティングに関しては、約40%がワンショットで解決しています。機器のトラブルやアカウントのトラブルで、初期対応のパターンが決まっている部分に関しては、かなり高い精度で解決できています。
Q. ワンショットで解決しなかった場合はどうなるのでしょうか。
上羅さん:残りの約50%に関しては、AIが一次対応を行うことでヒアリング工数を削減できています。よくあるパターンで解決しないということがわかった状態で、人が対応に当たることができる。一次ヒアリングが完了した状態で人間の対応に渡すことができるので、それ以降のヒアリングもスムーズに進められますし、一次回答作成の部分に使っていた時間を、ナレッジ作成など他の工数に当てられています。そういった効果を合わせると、全体として約15%の工数削減につながっています。導入以降、リードタイムは減少傾向にあります。
Q. 24時間対応が可能になったことでの効果はありますか。
上羅さん:時間外や土日に問い合わせをして、AIの回答で解決したという声をいただくようになりました。我々が稼働していないときに回答が来て、それで解決したという体験は、ユーザー体験として、困っているときにすぐに助けてもらえたという点で、満足度向上につながっています。zooba AIヘルプデスクの機能で「解決した」と評価をつけてくれる人が一定数いて、かなり満足度高く効果を実感していただいていると思います。
Q. 導入後の体制について教えてください。
上羅さん:もともと業務委託を含むオンサイトの方でヘルプデスク対応をしていたんですけれども、そのオンサイトメンバーの中に、zooba AI、つまりAIのメンバーが加わったみたいなイメージです。全体の工数を削減しつつ、各メンバーの人員を増やさずに対応できるようになってきています。AI自体は、問い合わせ件数が増加したとしても、それに比例して対応件数も伸びていきます。人をどんどん増やし続ける必要がないような状態の一助になっていると思います。
Q. 導入後、回答品質をどのように改善されていますか。
上羅さん:問い合わせ内容とzoobaの回答、そして実際にどのように解決されたのかを突き合わせて分析し、回答精度を評価しています。その中から間違っているものを抽出して、ナレッジが足りなかったのか、zoobaの設定を変えたほうがいいのかを判断しています。今は月1回のサイクルで分析していますが、もう少し頻度を上げられるといいと思っています。
Q. 設定のチューニングは、どのように行っていますか。
zooba AIヘルプデスクには「前提」と「ポリシー」というノーコードで設定できる機能があって、これが非常に使いやすいです。前提の部分を書き足したり、ポリシーとして特定のナレッジを参照するように細かい調整をするだけで、精度向上を図れます。
専門的な技術知識がなくても、現場の担当者が自分たちで直感的にAIの回答をコントロールできるのが大きなメリットだと感じています。

Q. 御社全体の中で、このAIヘルプデスク導入はどのように評価されていますか。
上羅さん:2025年から、我々Sansanの中でAIファーストという言葉を掲げて、各部門それぞれ、自分たちで何ができるのかをトライしています。このzooba AIヘルプデスクの導入を進めるにあたって、弊社のCIOに話を通して承認を得て進めました。CIOからも、「ぜひやってくれ」という意見をもらい進めてきました。社内の生産性や従業員の体験を良くするところにつながっているという部分で、評価されています。
Q. 最後に、Zooba AIの導入を検討されている方へ、メッセージをお願いします。
上羅さん:私たちとしては、Notionにナレッジを蓄積することを問題管理も含めてやってきました。そういったナレッジなどがすでに蓄積されていて、活用できる状態にあるという前提だと、かなりスピード感を持って効果を得やすいと思います。
今まで蓄積したナレッジを活用したい、スピード感を持って導入していきたいという方には、すごくおすすめです。

「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、働き方を変えるAXサービスを提供しています。主なサービスとして、ビジネスデータベース「Sansan」や名刺アプリ「Eight」、経理DXサービス「Bill One」、取引管理サービス「Contract One」、データクオリティマネジメント「Sansan Data Intelligence」を国内外で提供しています。
設立:2007年6月11日
URL:https://jp.corp-sansan.com
所在地:〒150-6228 東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージ 28F
資本金:72億44百万円(2025年8月31日時点)
事業内容:働き方を変えるAXサービスの企画・開発・販売
Sansan https://jp.sansan.com/
Eight https://8card.net/
Bill One https://bill-one.com/
Contract One https://contract-one.com/
Sansan Data IIntelligence https://jp.sansan.com/sansan-data-intelligence/

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